歯が抜けるのは加齢のせい?


新潟市西区の歯医者、歯科医|松田歯科医院の院長 松田拓己です。

 

【略歴】

平成2年 新潟大学歯学部卒業

平成2年~5年 新潟大学歯学部付属病院口腔外科勤務

平成5年~6年 長野赤十字病院口腔外科勤務

平成9年 新潟市西区小針にて松田歯科医院開業

 

 

「もう、後期高齢者なので歯が抜けるのは仕方がないですよ。

年には勝てませんからね。」

 

こんなふうに、あきらめ顔でお話される患者さんが多いですね。

 

本当に、年を取ると歯はなくなってしまうのでしょうか?

 

日本人の歯を守るために厚労省が取り組んできた活動に8020運動があります。

 

8020運動の目標は、80歳の人が20本以上の歯を残すことでした。

 

松田歯科医院の予診表にも、「80歳までに20本の歯を残したい」と書かれる患者さんがたくさんいらっしゃいます。

 

歯が悪くなる原因といえばむし歯が思い浮かびますが、実は、歯が抜けてしまう原因のトップは歯周病なのです。

 

ちょっと意外な感じですが、日本人の成人の8割が歯周病にかかっているそうですので、歯が抜ける元凶というのも納得がいきます。

 

歯周病の患者さんがこれだけ多い理由は、歯周病の原因が歯の周りに付着している歯垢(プラーク)だからです。

 

 

患者さんのお口の中を拝見していると、ほとんどの方の歯の周りに歯垢(プラーク)がついています。

 

歯垢(プラーク)は細菌が大量に集まってできているのはご存知ですよね。

(食べ物のカスではありません)

 

歯垢(プラーク)ができてから時間が経つと悪玉菌が増えてしまって、歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)に悪玉菌が侵入します。

 

こうなると、歯ぐきに炎症が起こって赤くなり、腫れが出て出血しやすくなるのです。

 

歯周病の悪玉菌は血液の中の鉄分をエサにして増殖するので、歯ぐきから出血するようになると歯周病はさらに進行してしまいます。

 

なので、歯周病を予防するためには、歯の周りに歯垢(プラーク)を残らないようにクリーニングをして清潔な状態を保つのが大切です。

 

それなら、歯磨きをしていれば歯周病を防げるはずですが、実際には多くの日本人が歯周病で歯を失ってしまうのはなぜでしょうか?

 

実は、歯ブラシが届くのは歯周ポケットの浅い部分(1〜2mm)だけなのです。

 

さらに、歯垢(プラーク)が固くなった歯石は専用の器具でないと安全に取り除けません。

 

そのため、セルフケアだけでは落としきれない歯垢(プラーク)や歯石をきれいにするには、歯科医師あるいは歯科衛生士が専用の器具を用いて歯のクリーニングをする必要があるのです。

 

予防の先進国スウェーデンで行われた研究では、歯科衛生士が定期的(3ヶ月毎)に歯のクリーニングを続けた場合、30年間で抜けた歯は0.6本だけだったのです。  

 

一生、健康な歯でおいしく食事を楽しんでいただくために、歯科医院で3ヶ月ごとの定期健診を続けていきましょう。

 

歯科医師 松田拓己

(新潟市西区の歯医者、歯科医|松田歯科医院 院長)



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